コーヒーの精製方法
毎日、飲む一杯のコーヒーをより自分好みに楽しむためのちょっとした知識をお伝えしていくブログ。
初回となる前回は焙煎度合いについて紹介しました。第2弾は焙煎度合いと同じくらい味にわかりやすく変化が出るコーヒーの精製方法の違いについてです。
まず精製方法(プロセスと言われることも)という言葉自体あまり聞きなれない言葉かと思うので、何を指す言葉なのか説明したいと思います。
コーヒーは、コーヒーノキという木になる果実(コーヒーチェリー)を収穫し、果肉の中にある胚芽と胚乳からなるコーヒー豆を取り出して乾燥させ(ここまでで生豆、グリーンビーンズと言われます)、焙煎して私たちに馴染みのあるコーヒー豆の状態になります。
精製方法とは下線部のコーヒーチェリーの果肉から生豆の状態にする過程を指します。ざっくりと説明すると果肉とミューシレージというぬめりを取り除くのをどんな方法で行うかということです。
精製方法はたくさんの種類がある…
水洗式(washed ウォッシュト、fully washed)
収穫後、果肉を取り除いた後、水の中で発酵させてぬめりを取り除いて水路での選別の後乾燥させる。クリーンであまりくせのない安定したクオリティに仕上がる。
乾燥式(natural ナチュラル、dry process)
収穫した後、果肉を取り除かずそのまま乾燥させてから果肉を取り除いて生豆の状態にする。 特有の華やかな香りや赤ワインやブランデーのような風味になる。フルーツ感も強く感じられ る。
半水洗式(セミウォッシュト、パルプドナチュラル、ハニープロセス)
収穫後、果肉を取り除きぬめりを残した状態で乾燥させる。味としては水洗式と乾燥式のあいだ、かなり幅のある仕上がりになる。 ぬめり(ミューシレージ)の残し具合が操作でき、その違いによって乾燥式により近い仕上がり になるか水洗式に近い仕上がりになるかが決まる。
ホワイトハニー | 0%程度残し (水洗式に近い) |
イエローハニー | 25%程度残し |
レッドハニー | 50%程度残し |
ブラックハニー | 90~100%残し (乾燥式に近い) |
※スマトラ式をはじめとして他にも精製方法はあるのですが今回はメジャーなものに絞って紹介しています
これらの精製方法はコーヒーショップでコーヒー豆を買う時やいくつかの豆の中から選んでコー ヒーを飲む時に焙煎度合いとともに参考にしやすい指標となります。好みに適した精製方法の選び方をざっくりと...
好みに適した精製方法の選び方
★どっしりとした重厚感や華やかな香りや赤や紫っぽいフルーツ感が好きな方
乾燥式(ナチュラル)、ブラックハニー、レッドハニーがおすすめ。
(ミルクとの相性もとてもよいので個人的にはナチュラルやハニープロセスのカフェオレは最高です)
★あまくてジューシーなフルーツ感のあるコーヒーが好きな方
イエローハニー、ホワイトハニー 、ナチュラルの浅煎りがおすすめ。
★フルーツ感というよりはナッツ、カカオ感のある落ち着いたコーヒーが好きな方
水洗式(ウォッシュト)がおすすめ。朝の一杯や食事と一緒に、仕事のお供になど、どんな場面にもおすすめできるのがウォッシュトの中煎りから中深煎り。
豆知識
精製方法(プロセス)は豆を見ればだいたい水洗式(ウォッシュト)なのか乾燥式(ナチュラ ル)なのかがわかります。見分け方はセンターライン(コーヒー豆の真ん中に入っている線)が 白っぽいか黒っぽいかどうかを見て判断します。白っぽければ水洗式、黒っぽければ乾燥式です。
前回の焙煎度合いと今回の精製方法についての知識でより自分好みのコーヒー豆を選ぶことができるようになったはずです。この記事がコーヒー一杯を飲む時間をより自分にとって充実したものにする手助けになればと思います。
コーヒーはまだまだ可能性を秘めた嗜好品です。あなたのコーヒータイムがより充実したものになりますように。
次回はたくさんある抽出方法を紹介したいと思います。コーヒーは使う道具や淹れ方によっても 味の変化が楽しめるものです。次回もお楽しみに。
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