ダージリンティーは『紅茶のシャンパン』
今回、紹介する紅茶は『紅茶のシャンパン』とも呼ばれるダージリンについてです。
ダージリンは、日本人の生活の中にも馴染みのある紅茶の一つです。
しかし、ダージリンは紅茶の生産量のうち、たった2%の収穫量しかありません。今回は、実は希少性の高いダージリンについて紹介します。
ダージリンとは
ダージリンは「紅茶のシャンパン」とも称される紅茶で、セイロンのウバや中国のキーマンと並んで数えられる世界三大紅茶の一つです。
この紅茶の茶葉は、インド北東部ダージリン地方にあるヒマラヤ山麓、標高2000メートルを超える高地で収穫されています。日中と夜の寒暖差の激しさが、ダージリンの特徴である強い香りと独特の味を作り出しています。
収穫期のセカンドフラッシュでとれる茶葉は、「マスカテルフレーバー」と呼ばれマスカットのような香りが特徴的です。
ダージリンは、アッサムやセイロン、アールグレイのように身近にあるメジャーな紅茶のイメージですが、実はダージリンは紅茶の生産量のうち、2%程度でとても生産量が少ない紅茶です。
一般的に多く出回っているダージリンとは、ダージリンの茶葉とその他の生産地で収穫された茶葉をブレンドしたものになっていてダージリン100%ではありません。
クオリティーシーズン
・ファーストラッシュ(春摘み) 3月~4月
春頃に収穫される1番茶で、この時期の茶葉の収穫量は少ないです。この時期の茶葉は軽発酵のため緑茶に近いものが多く、若々しく緑茶のような爽やかな風味とほどよい渋みがあります。茶葉は緑色の柔らかい新芽で、水色は淡いオレンジ色です。
ファーストフラッシュの茶葉は、通常ストレートティーで楽しみます。
・セカンドラッシュ(夏摘み) 5月~6月
この時期の茶葉は、しっかりとした茶葉で褐色、水色はやや濃いめのオレンジです。夏摘みの茶葉は、味・コク・香りとすべてにおいて最高級品であり、高値で取引されます。セカンドラッシュの茶葉は、「マスカテルフレーバー」と呼ばれ、マスカットのような天然の甘みや爽やかな香りは別格です。
セカンドラッシュの茶葉はダージリン特有の香りを楽しむために、ストレートティーで飲みましょう。
・オータムナル(秋摘み) 10月~11月
秋頃に収穫される秋摘みの茶葉で収穫量は少ないです。この時期の茶葉は、乾燥期で茶葉も厚みがしっかりしており、水色は深いオレンジ色でやや赤みがかっています。芳醇な味わいと深い甘みがあり、渋みのある風味です。
しっかりとしたコクのある茶葉なので、ミルクティーに合います。
ダージリンとアールグレイの違い
ダージリンと同様になじみのあるアールグレイ、この二つの違いが何かわからない方がよくいますが、この二つはまったくの別物です。アールグレイについては、次回詳しく紹介しますが、簡単にこの二つの違いをみていきましょう。
・ダージリン…インド北東部ダージリン地方にあるヒマラヤ山麓、標高2000メートルを超える高地で収穫される茶葉の銘柄。
・アールグレイ…柑橘系(ベルガモット)の香りをつけた紅茶でフレーバーティーの一種。
アールグレイの原料は、基本的にキーマンという中国茶が使われることが多いです。しかし、茶葉のブレンドには特に規定がないため、さまざまな種類の茶葉とブレンドされており、アールグレイも例外ではありません。
ダージリンベースのアールグレイもあれば、キーマンベースのアールグレイもあり、これらは茶葉にベルガモットのフレーバーを付けたものです。
つまり、アールグレイはフレーバーティーの一種であり、紅茶の茶葉の種類の名称ではないのです。
紅茶は歴史の深く、種類も多い飲み物です。
その日の気分にあった紅茶を選んで、ぜひたのしんでください。
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